風 景

兵 庫


 平磯灯標


   訪問日


 2017年 2月


詳 細


 兵庫県 神戸市にある灯標です。
 1893年(明治26年)11月1日初点、日本に現存する最古の水中コンクリート製の構造物です。
 平磯海づり公園の1.1km沖合いの暗礁上に建てられています。
 
 群急閃白光 15秒毎に6急閃光と1長閃光、光度390カンデラ、光達距離 7海里(約14km)
 塔高約15m、灯火標高約14mです。
 保存灯台 Cランクとなっています。

 明石海峡は潮流が早く、古くから難所となっていました。
 平磯灯標の建つ暗礁には、江戸時代頃から木製の標柱が立てられてきましたが、潮流によって何度も
 流出したそうです。
 1887年には石造の灯標となりましたが波浪で破損し、現在のコンクリート製に立て替えられました。

 イギリス人作家 サマセット・モームが、1924年〜29年にアメリカの雑誌コスモポリタンで連載したものを集めた、
 短編集「コスモポリタンズ」の一つである「困ったときの友」に登場します。
 作中では「信号浮標」となっています。
 
 山口県の小野田センメント(現太平洋セメント小野田事業所)で造られたコンクリートを使用しています。
 小野田センメントは、日本の民間初のセメント会社です。
 小野田セメント第一号のセメントで平磯灯標が造られた、と紹介される時がありますが、炉の完成は1883年であり、
 10年後に点灯した灯標が第一号であったかは疑わしいです。
 日本初の水中コンクリート建造物は、現存しませんが1890年に関門海峡に建てられた灯標と言われています。
 ただ、この炉で作られたセメントで出来ているのは間違いないので、歴史を感じながら眺めるのも良いかもしれません。

 灯塔は南方位標識の意味である、下部を黒色、上部を黄色に塗られています。
 これは灯標の南側が安全に航行できる水域で、北側には障害物があることを示しています。
 
 1893年(明治26年) コンクリート造りの灯標として設置。
 1966年(昭和41年) 電源が太陽光発電に変更。
 2003年(平成15年) 光源をLEDに変更。

 明石海峡大橋を挟んだ、対岸の淡路島には江埼灯台があります。


行き方


 神戸市内より国道2号線を明石方面へ行きます。
 須磨浦を過ぎた先、山陽電鉄 東垂水駅付近にある下水処理場前交差点を入ります。
 下水処理場に隣にある垂水スポーツガーデンの沖合いにあります。
 海岸は海釣り公園になっています。入場だけでも有料です。入らなくても灯標は見る事ができます。
 駐車場はスポーツガーデン前にコインパーキングがあります。






スポーツガーデンから。
駐車場から通り抜け可能です。




結構遠くにあります。
フェンスの奥は海釣り公園です。








黒と黄色のツートンです。








多くの船が行き交います。




スポーツガーデンと海釣り公園の間は遊歩道となっています。




明石海峡大橋が見えてきます。








恋人岬という名前のよう。
橋のイルミネーションや船の明かりが綺麗な事でしょう。
















中段部と下部の巻いてある部分は後付けです。




消防艇。
船は南側を通過していきます。
海面下9mにある暗礁上を潜水士が平に削り、その上に灯標を建てたそうです。




移動して明石海峡大橋へ。












橋の西側にある幕末の砲台跡です。
砲台を模したベンチです。
















護岸の石垣は当時のものだそう。
















対岸の淡路島にある江埼灯台








江埼灯台のさらに上に、大阪マーチスがあります。
大阪湾海上交通センターの事で、大阪湾を航行する船を管制しています。




海峡を通過する船と。




橋の下をくぐる大型船。












狭い海域を多くの船が航行していきます。






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